3. 捜査段階での被害者支援
1 被害届の提出, 告訴, 告発
なお,名誉毀損罪などの親告罪と言われる犯罪については,裁判により犯人を処罰するためには,告訴が必要となっています。
告訴は,犯人が起訴されるまでは取り消すことができますが,一旦告訴を取り消した場合は,再度告訴をすることはできません。
Q 性犯罪の告訴に関する法改正について教えてください。
A 近年における性犯罪の実情等に鑑み,事案の実態に即した対処を可能とするため,性犯罪の要件や法定刑などについて刑法が改正され,平成29年7月から施行されています。
この改正により,従来,親告罪とされていた強姦罪(改正後は「強制性交等罪」と改められています。),強制わいせつ罪等の性犯罪は,親告罪ではなくなり,告訴がなくても裁判により犯人を処罰することができるようになりました。
また,改正法が施行される前に被害に遭われた事件についても,原則として,告訴がなくても裁判により犯人を処罰することができるようになりました。
この改正は,告訴をするかどうかの判断を迫られることによる被害者の精神的負担を考慮したものであり,検察官が,事件の処分に当たって,被害者の意思を丁寧に確認するなど被害者の心情に適切に配慮するよう努めることに変わりはありません。
2 捜査

『逮捕・勾留の期間』
3 事件の処分(起訴と不起訴)
Q 検察審査会への申立てについて教えてください。
A 検察官が事件を不起訴処分にしたことに対して,被害者の方や告訴人は,検察審査会に審査の申立てができます。被害者のご遺族の方も審査の申立てができます。
審査の申立てをする人は,検察審査会に,審査申立書のほかに,意見書や資料を提出することができます。
検察審査会は,申立てを受けて審査を行い,起訴相当,不起訴不当,不起訴相当の議決を行います。起訴相当又は不起訴不当の議決がなされた場合には,検察官は再度捜査を行うことになります。また,検察審査会が起訴相当の議決を行った後,検察官が再度捜査した結果,不起訴処分としたときは,検察審査会は,再審査を行い,起訴をすべき旨の議決を行うことができます。起訴すべき旨の議決がなされた場合は,裁判所が指定した弁護士が事件を起訴して,裁判でも検察官の役割をすることとなります。検察審査会は,地方裁判所内に置かれていますので,申立手続などは,そちらに相談してください(詳しくは裁判所ホームページをご覧ください。)。

『検察審査会』
4 不起訴記録の閲覧
また,被害者参加制度の対象となる事件の被害者等の方については,「事件の内容を知ること。」などを目的とする場合でも,捜査・公判に支障を生じたり,関係者のプライバシーを侵害しない範囲で,実況見分調書等を閲覧することができます。
さらに,それ以外の事件の被害者等の方についても,民事訴訟等において被害回復のため損害賠償請求権その他の権利を行使するために必要と認められる場合には,捜査・公判に支障を生じたり,関係者のプライバシーを侵害しない範囲で,実況見分調書等を閲覧することができます。

『不起訴記録の閲覧』